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昭和初期の本 発見

 ・今年の春、道路の整備のために祖父が住んでた家が取り壊された。壊される直前に最後の点検で家の中を調べて集めた荷物の中に面白い本を発見。どれも状態がよく、普通に本として読める。

・「甲山峡水」 山梨県景勝地協会 発行
昭和9年1月1日号~昭和16年NO31号まで 揃ってないけど23冊
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この本は主に山梨県の登山・観光地ガイドや情報が載っている。巻頭には必ず岡田紅陽氏の写真が数点載っている。その中にわずか1点だけど祖父の写真(名前付き)も載っていた。

この本には当時のホテル・旅館の広告も載っていて、宿泊代等も記載があり、そういうのを見てるだけでも面白い。当時出来たばかりのホテルの宿泊代は2人室で18円~だそうだ。ちなみに最後のNO31号の定価は50銭。

・「國立公園」 国立公園協会 発行
昭和9年5月号~昭和18年8月号まで 揃ってないけど50冊
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これはタイトルの通り国立公園の情報を伝える機関紙。現在でも国立公園協会は存在しており「國立公園」も発刊され続けている。昭和9年5月号の値段は30銭です。

・そして一番面白かったのがこれ。これらだけはA5版くらいの大きさ。
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まず「オリエンタルスタヂオ」 オリエンタル写真工業 発行
昭和3年創刊号~昭和10年9月号まで 揃ってないけど58冊
オリエンタル写真工業(現・サイバーグラフィックス)は写真材料(印画紙・現像液等)を販売していた会社で、
この冊子は現像や焼付けのやり方や撮影方法が載っている。

今で言うところの写真コンテストもあって、うちの祖父も当時応募していたらしく入賞者の欄によく名前が載っている。写真館店主向けの情報誌なんだと思う。

「スタヂオライト」 コダックジャパンリミテッド発行
昭和6年6月号~昭和7年11月号まで 揃ってないけど12冊
これは表紙に「写真営業家の専門雑誌」と書いてある。コダック発行だけに表紙は毎号外国人。専門雑誌とうたっているだけあって、現像・焼付けの方法、新しい商材情報がメインの本。

「写真新報」 浅沼商会 発行
昭和3年7月号(2冊)と11月号の3冊
この本でも写真コンテストをやっており、やっぱり祖父も投稿しており名前が載ってます。たの2冊よりもページ数が多く、写真・カメラについての記事が多い。これが一番一般向けの内容。現在の「アサヒカメラ」や「日本カメラ」等のカメラ雑誌の元になった雑誌なのかもしれない。

 どの本も旧字で書いてあるし、文章も昔の言い回しだったりするので非常に難解(笑)。だけどどの雑誌も非常に面白い。写真もたくさん載ってるし、広告や物の値段なんかを見るだけでも楽しい。

これらの雑誌をどうするか?「甲山峡水」は町の図書館に寄贈しようと思ってるが、他の雑誌はどこに置けば一番いいのか未だ結論が出ていない。ただ店に保管していてもしょうがないし、こういうのはホントに好きな人が読めばすごく楽しめるし、当時の状況を知る貴重な資料にもなるし…悩んでます。とりあえず明日、地元新聞社の記者が見に来ます。
by syashin_ya | 2010-08-03 19:36